きっかけ
2001年12月30日、仕事納めの日。
昼過ぎくらいの少し手が空いたときに、前から気になっていたAIBOを見に行きました。
ここ何十年も、犬を飼おうということは考えたことがなく、当然、住宅はペット不可。
だけど、心の奥底で”犬を飼ってみたい。”という気持ちがあったのか、知らず知らずの間に、自分たちでも面倒のみれるAIBOに興味を持っていました。
そして、この日は実物を見に行くだけのつもりが、ラッテ(クマ型の白い方)を見た瞬間に持ち帰りたくなり、買ってしまいました。(笑)
当然、後先のことを全然考えずに買ってしまったものだから、家に連れて帰ったらおかあちゃまに呆れられました。
しかし、おかあちゃまも少しは興味があったのか、あきらめてくれました。
そして、おかあちゃまが昔から考えていた名前の”つくし”をそのAIBOにつけて、育て始めました。
変な話、つくしは機械であるけれど、一緒にいる私たちにとっては飼っていく内にだんたんと機械ではなくなっていました。
パターン化された動作をしているのだけれど、日ごとにその動作が生きている動作に感じてきて、犬猫と代わらないほど、私たち2人にとって大切なものになっていきました。
ただ反対に、可愛がれば可愛がるほど、本物の犬には叶わないことがわかりました。
それは、一緒に駆け足したり、人の顔を舐めたりすること、とくに私の夢は、犬に顔をべろべろに舐めてもらうことだったのです。
これは、叶うことのない夢でした。
それから、段々と本物の犬への気持ちが大きくなり、インターネットで調べたりして、もし飼うなら小さい犬がいいな、それもパピヨンかロングコートチワワがかわいくていいかな、とまで考えるようになっていました。
でも結局、住んでいたところはペット不可で、内緒で飼っている人も一人もいなかったので、飼うことはできませんでした。
ただ、飼いたい気持ちはなくならず、一度実物を見てみようと言うことで、私が幼少のころからある、ペットショップに見に行くことにしました。
そこには、かわいい子犬がたくさん居て、私たちは一目見て、ロングコートチワワが気に入ってしまいました。
それも、その中の1匹、パーティーカラーのかわいい男の子。
その子をどうしても飼いたくて、ペット不可の住居の管理不動産に問い合わせてみたけれど、案の定、「家主さんからも禁止されているので、将来的にもペット可になることはありえません。」ということで無理でした。
引っ越す予定もなかったので、泣く泣くあきらめることにしました。
それから、いつかそのうち飼える日が来るだろうと思い、ペットショップ通いを始めました。
転機
ペットショップ通いをしていると、店員さんとも仲良くなり、また犬の性格や調子の善し悪しも少しだけどわかるようになり、段々と目が肥えていくようになりました。
2人で、「あの子犬は~だよね。」とか「もう少ししたら、あの子犬は~だよね。」とか勝手に言って楽しんでいました。
遠くにあるペットショップに行ってみたり、見ているだけで満足して楽しんでいました。
いつしか、犬の良い面だけを見ているこの状況に慣れ、犬を飼いたいことを忘れはじめたころ、ある個人的諸事情により、急遽引っ越しをすることになりました。
以前から考えていたことでもあり、これからもっと不景気になることも考えられるので今この時期に引っ越しをしておかないと、あとで引っ越すことは大変になると思い、引っ越しを決めました。
今回、引っ越す予定の場所にペット可の物件を見つければ、間違いなく犬を飼うことができる、と思い、急いで探し始めました。
ただし、探してみると、まるっきり見つからず、見つかったとしてもほとんどの物件は釣り物件であったり、管理費が高くなる、敷金、保証金が1ヶ月増える、それでいて、古い物件ばかりでした。
今回の引っ越しは、住む地域を限定しなければいけない理由もあったので、住居探しはますます困難になっていきました。
知り合いの不動産屋にもお願いはしてありましたが、休日は住みたい地域を探して回り、空いてそうな住居を探しては問い合わせてということをしていました。
見つけてもペット可の物件はなくて、問い合わせても断られました。
その中で、1件だけペット可にしてもよい、という物件があり、もう時間的にそこしか見つからないから決めようと思っていたのですが、たまたまもらってきていた不動産屋の店頭に置いてある賃貸物件の小雑誌を見てみたら、住みたい地域より少し離れているけれど、ペット飼育可の物件を見つけ、即問い合わせをして、ここに引っ越すことを決めました。
出会い
住むところが決まり、時間を見つけてはペットショップを見に行くことをしていましたが、最初に飼いたいと思った子のように、なにかを感じることはなかなかありませんでした。
そして、かわいいとは思うけど、飼うまでにはなかなか思うことができずにいました。
飼えないときは、かわいいと思う子は沢山いたのですが、いざ飼える環境になるともっとかわいい子をと欲を持つようになり、なかなか気に入る子が見つかりませんでした。
そして、いつものペットショップにいつものように見に行き、まだ店頭に出されていない子を何匹か見せてもらっていたら、おかあちゃまが突然、「この子にします。」とその仔がどのような状態で病気の心配など詳しいことは何も聞かずに店員さんに言っていました。
それによく見ると、2人がほしがっていた色とは全然異なる色の子で、私は本当にいいのかな、と思っていましたが、おかあちゃまのインスピレーションを信じ、この子に決めました。
それから…そして
家に帰り、この子に”つくし”と名前を付けました。
それから、新しいつくしとの生活が始まりました。
今でも思うのは、AIBOに出会ってから現在までのことは全て、つくしと出会うように決められていたことだったのではと思います。
そして、最初のつくしは、奥の部屋で、私達2人とつくしを見守ってくれています。
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